旅は必要に迫られない限り、観光旅行はしなかったブラームス。ウィーンからあまり移動していないのかな、と印象があるけれども地図にしてみるとヨーロッパの端から端まで目にしている事になりますね。ヨハン・シュトラウスのように西はスペインから、東はロシアまでとはいかないけれども当時の旅は飛行機で目的地へ行くわけにはいかないから旅の途上で車窓からとはいっても国々の様子、乗客が演奏する地方の音楽を楽しむ事は出来たでしょう。
via ブラームスの旅
午後7時からのサントリー・ホールからの生放送は、オール・ブラームス・プログラム。旅の途上で耳にしたメロディーや、リストからもハンガリーの歌を聞いていたんじゃないかしら。律儀なブラームスは《ハンガリー舞曲集》には自作の連番を振っていません。自身のメロディーではないからと言うのでしょう。若い頃はヴァイオリン弾きの友達と、音楽を演奏しながら旅をしたと言いますから民衆の音楽にはしっかりと接していたものと想像できます。そこで今回のN響定期のプログラムを観ていると、どれもリズムが面白い。打楽器も結構活躍しています。ブラームスの音楽は素朴だと表現されるのは、土着の響きが隠れているという事で上品なオブリガートで包み込んだ管弦楽法に誤魔化されて湿っぽい弦楽の調べだと思い込んでいるクラシック愛好家も少なくないのではないでしょうか。
- 第1693回NHK交響楽団定期公演 -(管弦楽)NHK交響楽団
- 「ハンガリー舞曲集から 第17~21番」 ブラームス作曲、ドボルザーク編曲
- 「ハイドンの主題による変奏曲 作品56a」 ブラームス作曲
- 「ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25」 ブラームス作曲、シェーンベルク編曲
(指揮)イオン・マリン
~東京・サントリーホールから中継~via cgi4.nhk.or.jp
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