ポルポラやフェオと同時代に活躍したナポリ楽派の音楽家、フランチェスコ・ドゥランテ(1684-1755)の教会音楽集。
オペラで名声を確立したポルポラやフェオとは異なり、器楽、室内楽、そして教会音楽の作曲家として名を広めたドゥランテ。通奏低音付きのア・カペラ「ミゼレーレ」とモテット様式の合唱作品「短い晩課」は、18世紀ナポリ楽派の教会音楽の発展に大きく貢献したドゥランテの重要作である。
ドゥランテは18世紀イタリアで活躍し、ペルゴレージやパイジェッロを育てた作曲家。教会音楽の作曲家であっても師弟関係からはメロディーメーカーであった事はうかがえる。日頃聴く事の出来ないドゥランテの協奏曲集。
クリスティーネ・シェーファーやクリストフ・エッシェンバッハなど、多くのアーティストたちの賛同を得、(ドイツの DELTA MUSIC という会社のクラシック部門だった) CAPRICCIO レーベルの責任者を務めていたヨハネス・ケルンマイヤーがドイツ文化放送や西ドイツ放送、北ドイツ放送とのコネクションを活かして2008年5月ウィーンにて「忘れ去られようとしている名作・名演奏を蘇らせる」新しいプロジェクトとして立ち上げた PHOENIX EDITION (フェニックス・エディツィオン) でしたが、古巣の CAPRICCIO レーベルを傘下に収めるほど発展したかと思った途端に、更に2010年からは DELTA MUSIC 傘下の 「 CRYSTAL CLASSICS 」というレーベルが新たに設立され、このレーベルも CAPRICCIO の音源を引き継いだ発売を行っている。このように、状況が混沌としてしまった音源の流通状況は、一般に悪くなってゆくのが常です。
録音:1990年5月28日-31日/1992年1月28日-31日。旧 CAPRICCIO 10371 [71074]、10378 のセット化。ただし、10378 は「ナポリの音楽」という題名で、他にレーオ、ペルゴレージ、D.スカルラッティの作品が含まれているが、当2枚組では省かれている。
CD:ドュランテ:弦楽のための協奏曲集/チェンバロ協奏曲 変ロ長調(コンチェルト・ケルン/エールハルト)
古楽の楽しみ -18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家-(1)
解説:今谷和徳 2011年7月25日、NHK-FMで放送
- 18世紀中頃に活躍したイタリアの作曲家 -(1)
「主は言われた」 ドゥランテ作曲 (3分02秒)
「主よ、わたしはあなたに感謝します」 ドゥランテ作曲 (4分18秒)
「主をおそれるものはさいわいである」 ドゥランテ作曲 (4分01秒)
「しもべらよ、主をたたえよ」 ドゥランテ作曲 (2分22秒)
(合唱)アンサンブル・ヴォカーレ・イル・ドディチーノ
(演奏)アンサンブル・ストゥルメンターレ・サジタリオ
(指揮)ジョヴァンニ・アッチャイ
<Tactus TC 680403>
「協奏曲 第7番 ハ長調」 ドゥランテ作曲 (8分51秒)
(演奏)コンチェルト・ケルン
(指揮)ウェルナー・エールハルト
<Phoenix Edition 427>
「舌よ、歌え」 ドゥランテ作曲 (10分40秒)
「マニフィカト」 ドゥランテ作曲 (4分31秒)
(合唱)アンサンブル・ヴォカーレ・イル・ドディチーノ
(演奏)アンサンブル・ストゥルメンターレ・サジタリオ
(指揮)ジョヴァンニ・アッチャイ
<Tactus TC 680403>
「チェンバロ協奏曲 変ロ長調」 ドゥランテ作曲 (9分30秒)
(チェンバロ)ゲラルド・ハンビッツァー
(演奏)コンチェルト・ケルン
(指揮)ウェルナー・エールハルト
<Phoenix Edition 427>
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