推薦盤をやたらと指名しない勇気は大切だと思います。わたしも情が入るととにかく誉めることをしてしまうので、注意したいと近頃時々思うようになりました。でも淀川長治さんが語っていた、どんな映画にも見所がある。本筋ではないところにきらりと良いところがある。とおっしゃっていたことは長いこと、わたしの身体の奥にストンと着床しています。その卵を成長させるようにして、素敵な部分を見つけて評価するようにこれまで続けてきました。
ついでながら、淀川長治さんは日曜洋画劇場の解説部分だけを撮るだけで放送は観ないとおっしゃっても居ました。放送はスポンサーとの兼ね合いがあって表現が変更されたり、放送時間との都合でカットされています。だから、淀川長治さんが「ここは見逃さないで」といっていたところが実際はオン・エアされていなかったことも少なくないようです。
不偏な評価をすることは難しい。やはり何処か自分の体調に、その時その時で変動があるものです。でも、やはりどんな演奏にも★★★★★とするのはどんなものかと思います。確かに判断の基準はあるだろうし、★もあるけれども紹介しているのは★★★★★に限ってして居るんだ、という事かも知れないね。
誠実さで損をしている指揮者が、ベルナルト・ハイティンクだとも言って良いでしょう。音楽からは温厚さばかりが聴き取れます。そこはざっぱり切り捨ててくれると音楽が締まるんじゃないかな、と思わせるところが聴き手が落ち着けないでいるところかも知れない。西条盤鬼先生は、この1枚を推薦盤にするだけでよいと思ったのかどうかは分からないけれども、まずはこの1枚はしっかり聴いてご覧なさい。他のハイティンクの音楽を楽しむ良いガイドになるはずですよとわたし達に伝えたかったのではないかしら。
1961年にハイティンクは32歳の若さでコンセルトヘボウ管の常任指揮者に就任しましたが、このラヴェルはその直後に録音された。当時のハイティンクにとってのデビュー盤ともいうべき録音です。日本盤ではCDと同様のベージュの模様のデザインだったと記憶しています。わたしが最初に聴いたのが再発盤だったのかもしれませんが、ハイティンクを意識して聴く様になったのは発売されてから10年以上は経っていたのは確か。初版のジャケット写真のハイティンク、若々しいですね。
☆通販レコード 新着案内(2010/12/3) 2011年9月8日 売約済☆
【管弦楽曲】
- ラヴェル:ダフニスとクロエ組曲No.2,亡き王女のためのパヴァーヌ、道化師の朝の歌、スペイン狂詩曲
演奏:
- 指揮: ベルナルト・ハイティンク
- 管弦楽:アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
試聴感とレコード盤、ジャケットのコンディション:
- 録音は1960年代前半、Hi-Fi STEREO ラベルという事もあって、大変音の良い1枚。英プレスということも相まって、その音質には気品があり、まろやかで生理的に気持ちの良い素晴らしい音色です。又、この盤は年に一度も推薦盤を出さなかった日本一厳しい評論家、西条盤鬼先生の珍しいラヴェルの推薦盤です。ここで聴くハイティンクはけして世間で言われるようなぼんくらではありません。その誠実そのものの音楽をぜひお聴き下さい。
- 盤は時たま小さなプチ音が聞こえるくらいで、優秀。
- ジャケットも、綺麗な状態です。
ⓇNM ⒿNM
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