畏敬していたベートーヴェンの陰に隠れ、ただただ彼の成功を応援する友人たちのためだけに作曲をするだけで存命中は貧乏で薄幸の生涯だった。と言われている彼。歌曲王シューベルトの誕生日が、1月31日です。「僕は作曲するためだけに生まれてきたんだ」とシューベルトは言っていたと言いますが、名声には無頓着だったのかどうか当時は作曲してもたいした値段には成らなかったという歌曲。しかもシューベルトの旋律は覚えやすかったので、耳コピーで街中の人に憶えられてしまって楽譜はとんと商売にならなかったとか。
名盤カレンダー、1月31日のディスクは「Mass in G Major」。ミサ曲と言っても荘厳さよりも敬虔さが表面だった賛美歌みたい。敷居の高さはありません。リラクゼーションをクラシックに求めて聴く人が多い昨今、最もふさわしく再注目される時ではないでしょうか? なかでも闘病の末に復活したアバドの指揮でのCDは、マーラーの録音よりも透明感と説得力があります。独唱者にバーバラ・ボニーさんらが揃っていて、耳障り良く。録音もグラモフォン独特のまろやかさ。再認識されて欲しい度:★★★★